【歯並びや健康に影響する悪習癖】口呼吸とは?
こんにちは!
リンクスター歯科の鈴木です。
最近、様々な原因から口呼吸のお子さまが増えています。
「いつも口で呼吸している」「子どもがいつも口をポカンと開けている」など、
お子さんが普段お口を開けたままのことが多く、気になる保護者の方もいるのではないでしょうか?
口呼吸は、身体の多くの疾患に影響があることが分かっています。
今回は、お口で呼吸すること「口呼吸」について解説していきます。
口呼吸とは?
口呼吸とは、吸う息または吐く息どちらか一方でも口から行う呼吸法のことです。
人は本来、鼻で呼吸しますが、現在、様々な原因から口呼吸の人が増えていると言われています。
日本人の半数以上は口呼吸があり、その中でも小学生以下のお子さんの約8割が口で呼吸していると言われています。
口呼吸の原因
口呼吸の原因は様々ありますが、主なものとして以下の原因をそれぞれ説明していきます。
①鼻炎や鼻づまり
風邪やアレルギー性鼻炎などが原因で、鼻がつまると、鼻呼吸がしにくいため、口呼吸となります。また、鼻炎などが慢性化してしまうと、口呼吸が癖になってしまいます。
②お顔の成長不足
舌小帯の影響で舌が自由に動かないことや、正しい刺激が顔に伝わらなかったなど、様々な原因からお顔が正しく成長せず、鼻気道が狭くなり鼻で呼吸がしづらいので口呼吸になってしまいます。
③歯並び
歯並びが悪いと口を閉じることができず、口呼吸の原因となってしまいます。
特に出っ歯(上顎前突)は、唇を閉じにくく、口呼吸になりやすいと言われています。
④口腔周囲筋が弱い
お口を閉じるための筋肉の口腔周囲筋が弱いことも原因の一つとして考えられます。
お口が常に開いていたり、口呼吸が癖になってしまうと、口腔周囲筋が弱まります。
⑤アデノイド肥大・扁桃肥大
アデノイドとは鼻の奥にあり、扁桃とはのどにある口蓋扁桃(扁桃腺)と呼ばれる場所にあり、それらが通常よりも大きくなることを言います。
アデノイド肥大、扁桃肥大のお子さんは、鼻から空気が流れ込みにくいため、口呼吸になりやすいと言われています。
アデノイド肥大、扁桃肥大は口呼吸を続けていると更に悪化すると言われていますが、年齢が高くなると徐々に小さくなるので、経過を見守ることもあります。
重度の場合は耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
口呼吸が与える影響
歯並び
口呼吸は、歯並びを悪化させる原因となります。
本来、上あごの天井部分の歯列内に収まっているのが正常な位置です。
舌の圧力と唇の力、頬の粘膜からの圧力がバランスを取り、歯を正しい位置へと導きます。
しかし、口呼吸になると、舌が下がり上顎から離れて力のバランスが崩れ、頬からの力により歯列が内側に押され狭くなり、その結果、歯並びが悪化します。
また、常に口を開けているので下顎が下へ後ろへと成長し、出っ歯やガタガタの歯、開咬といった不正咬合になってしまいます。
虫歯や歯周病
口呼吸だと、お口の中が乾燥してしまい、唾液量も減少します。
唾液には、お口の中にいる細菌を洗い流す作用(自浄作用)や、虫歯や歯周病菌の増殖を抑える作用(抗菌作用)があります。
唾液量が減少することにより、虫歯菌や歯周病菌が唾液によって流されることなく、お口の中に残るため、どこからか増殖してしまい、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。
口臭
口呼吸によりお口の中が乾燥したり、唾液が減少したりすると、唾液の自浄作用が弱くなり、汚れや食べかすなどが歯と歯の間などに残りやすくなります。
また、お口の中が乾燥することで、さらに細菌が繁殖しやすくなるため、口臭の原因となります。
風邪やアレルギーのリスクが高まる
鼻の穴には鼻毛や粘膜があり、フィルターの役割があります。
そのフィルターがあることで、鼻呼吸で吸い込んだ空気の中にあるウィルスや菌、アレルギー物質を通にくくします。
しかし、口呼吸の場合、これらのウィルスや病原菌などが、直接気管に入るため、風邪を引いたり、アレルギーのリスクが高まってしまいます。
睡眠障害
お顔が正しく成長せず、鼻気道が狭いままだと睡眠障害を引き起こす可能性があります。
睡眠障害は全身の健康に大きな影響を与えるので、こどものうちに正しい成長を促すことが大切です。
口呼吸を改善するためには?
口呼吸は、自分の意識で改善する場合もありますが、本質的な原因がある場合が多いです。
その子が口呼吸になってしまっている原因を見つけ、その原因を取り除くことが最も大事です。
まず歯科医院に受診し、その子が口呼吸になってしまっている原因を見つけましょう。
治療方法は人により異なりますので、その子に適した治療法を行いましょう。
改善するための例をあげるとすると、以下の方法があります。
鼻呼吸を意識する
日常生活の中で口呼吸が癖になってしまってることがあります。お口を閉じることを意識しないと、口腔周囲筋はどんどん弱ってきてしまいます。
普段から、鼻で呼吸することを意識し、お口を閉じる癖をつけましょう。
口腔周囲筋を鍛える
お口周りの筋肉が弱っていることで、口呼吸になっている場合口腔周囲筋をトレーニングし、鍛えることで口呼吸を改善できます。
「あいうえべ」体操や舌を上あごの正しい「スポット」という位置に置くなど、様々なトレーニングがあります。
今後、詳しく紹介させていただきます。
矯正治療での改善
歯並びやお顔の成長不足が原因で、お口を閉じることができないのは矯正治療が必要な場合があります。
なるべく早い段階で小児歯科もしくは矯正歯科で診てもらうようにしましょう。
耳鼻科を受診する
アレルギーや慢性鼻炎などがある場合は、耳鼻咽喉科などの専門医を受診しましょう。
まとめ
今回は、「口呼吸」について解説しました。
口呼吸は、お口以外にも様々な影響があり、早期に解決する必要があるものです。
歯並びやお口の中の機能やお子さまの成長にも影響してきます。
口腔周囲筋のトレーニングや歯並びを治すことで解決できるケースもあるので、早めに小児歯科や小児矯正対応の歯科医院の相談してみてください。